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2021.10.30

『算数過去問分析講座』

アートオブエデュケーション指導部長  富田 佐織

夜半の虫の音に癒される季節になりました。コロナ禍での異例のオリンピック・パラリンピックも無事に終わり、感動の余韻に浸る間もなく、各塾の志望校判定テストが本格的に始まりました。この冬はコロナウイルスに加えてインフルエンザの予防にも注意が必要な様子です。体調管理に気を付けながら各々の志望校に向けて少しずつギアを上げていきましょう。さて、第8回の過去問分析講座では、今号掲載の学校の中から、普連土学園中学校の令和3年度2月1日午前4科試験の算数問題と午後算数1科試験の算数問題を扱いたいと思います。全体的な問題構成は以下のようになっています。
◎令和3年度午前入試の算数問題
【大問1】四則計算問題
【大問2】一行題
【大問3】立体図形
【大問4】平面図形
【大問5】グラフ問題
【大問6】場合の数
【大問7】規則性
普連土学園中学校の算数の解答用紙は、大問1の四則計算問題も含め全ての問題において、式や考え方を記述する形式になっています。大問1は多少手数が必要になる四則計算2題と逆算1題の3題構成です。分数・小数の換算を自由自在にできるようにしておきましょう。また、逆算は苦手なお子さんが多いと思います。本番で混乱しないように、確実に解ける手順を身につけておきましょう。大問2の一行題は、過不足算と平均算です。標準的な問題なので確実に得点出来るようにしましょう。大問3の立体図形は、投影図から体積を求める問題です。このタイプの問題が苦手なお子さんは、投影図から見取図を書けるように練習をしておくと良いでしょう。 大問4は、相似形の典型題になります。(2)(3)の比合わせが出来るか否かが『合否を分けるポイント』1個目になるでしょう。ピラミッド型・砂時計型の相似形問題は塾の教材等での演習を通して、パターンをマスターする必要があります。大問5は仕事算のグラフ問題、大問6はカード並べの場合の数です。こちらのカード並べは、丸暗記では対応が難しく、順序よく場合分けをして考える必要があります。ここまでの大問1~6までの合計15問は殆どが素直な典型題で良問です。ここまでで7割~8割正解することが2個目の『合否を分けるポイント』になります。大問7は、普連土学園伝統の会話文問題で、今回は規則性の問題になります。この大問7だけで解答欄が11個あり、会話の流れが問題を解くための誘導になっています。誘導にのりながら問題を論理的に紐解く力が試され、ここで11問中半分は正解したいところです。こちらの会話文問題の攻略が3個目の『合否を分けるポイント』になります。試験時間60分で26問ですが、大問7に時間を要するため時間配分に要注意です。 ◎令和3年度午後算数1科の算数問題
四則混合計算問題5問
単位換算計算問題1問
一行題44問 合計50問
四則混合計算は、分配・結合法則等の工夫を要するものです。日々の計算問題でも工夫をして解く演習を心掛けましょう一行題の中には一筋縄ではいかない問題も数問含まれています。試験時間50分で50問なので、スピード・正確性・得点できる問題を見極める選択眼が求められます。
次回は○○校の過去問分析をしていきます。
このページが中学受験生と親御様の一助になりますように・・・。

富田 佐織

中学受験専門大手進学塾で多岐にわたる学校への合格実績を持ち、志望校に合わせた戦略的な指導やきめ細やかな学力カウンセリングは特に高い評価を得ている。
近著『中学受験「算数」教え方のコツ』PHP

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