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2021.11.30

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新しい教育モデルを構築しながら
未来の世界を切り拓く力を育んでいく

2022年4月、千代田国際中学校が新たに生徒募集を開始する。同校の前身である千代田女学園は、明治初期に浄土真宗本願寺派の宗門校として設立され、130年の歴史を持つ。以来、守り続けてきた「叡知・温情・真実・健康・謙虚」という〈学園のこころ〉を建学の精神としながら、未来の世界で活躍する子どもたちをどう育てていくのか。中学校の再スタートに当たり、同校の日野田直彦校長にその思いを聞いた。

未来の学校教育モデル構築を目指す

同中学校では、「社会と接続する学校教育モデルを構築し、未来の世界に貢献する教育機関として、建学の精神の具現化を行う」というミッションを掲げている。ここに書かれている学校教育モデルについて、日野田校長は次のように話す。 「本校が目指しているのは、千代田国際中学校の教育というだけではなく、未来の学校教育のモデルになるものをつくっていくということです。withコロナの時代、私たちを取り巻く環境は大きく変わろうとしています。誰もが未だかつて経験したことのない時代、誰もがその答えを持っていません。ですが、それを逆に捉えれば、誰もが答えをつくることができるとも言えます。本校は、未来を切り拓く解決策をみんなで一緒に見つけていきます」。校長の言うみんなには、来春同校に入学する生徒たちも含まれる。「学校教職員も、生徒も、その保護者も。みんなで一緒につくっていきたいと考えています。もちろんはじめから全てが順調ではないかもしれませんが、混沌とする状況も含めて、生徒たちには体験してほしいと思います。そこから生まれてくる真実もあるのですから。そうした体験の中で生徒1人1人に成長していってもらいたい。自らオーナーシップを持って未来をつくっていく力を身につけてほしいのです」と校長は話を続ける。

武蔵野大学附属千代田高等学院、武蔵野大学高等学校の生徒が集まって開かれた「ワークショップ」の様子

日本と海外の学校のいいとこ取りをする

未来の世界に向けた新たな学校教育モデルという発想の背景には、日野田校長自身の経験もある。帰国子女として海外の学校も日本の学校も経験したからこそ、両者の良いところがわかる。「日本の学校教育は、とても堅実でリテラシーも高い。理数は世界最高峰だと思います。しかし、その一方で生徒たちの自由度が少なく、リサーチ能力を伸ばす機会も多くはありません。結果、日本の学校教育は生徒たちが『自分を知る』というところで終わってしまうのです。では、海外の学校教育はどうかと言うと、ひとことで言えば、日本の真逆です。だからこそ、それぞれの良い部分を合体させた教育モデルを目指すのです」と、日野田校長。

目的意識を持って守破離を繰り返す

同校の教育の特徴は、カリキュラムの組み立てからも見て取れる。1週間のカリキュラムは、CHIPS(ChiyodaInternational Purpose Spiral)という考え方を基盤に組まれている。ここで特に重要なキーワードとなるのが「目的意識」と「守破離」だ。「教育には『Why?なんのために?』が不可欠です。ものごとを徹底的に探究するためには知識が必要です。そのために学ぶのです。動機のない学びは続きません」と日野田校長。そして、目的意識を持ち、様々な教育の場面で守破離を繰り返していくことで、本物の力が身につくと言う。「守(基礎を身につける)・破(ものごとを掘り下げる)・離(自分らしさを知る)というのは、日本の学校教育の良いところです。本校ではそこにPBL(課題解決型授業)、LAP(リベラルアーツ体験プロジェクト)といった、海外の学校が標準的に取り入れているものを融合させています。具体的には、午前中の授業は中高6年間の土台となる基礎をしっかりとインプットします。そして、午後はPBLの時間として、午前にインプットしたものをアウトプットし、フィードバックを受ける授業を行う予定です。また、週に1日はLAPとして外部か企業などを招いて話を聞いたり、自らが体験をしたりする時間を設けていきたいと考えています。未来の社会で自分は何ができるのか、自分らしさをさらに深める機会をつくっていきます」と校長はカリキュラムについて語った。

学校としての部活動はしないが、生徒たちが様々な体験ができるよう、プログラミング・英会話・芸術系・運動系などの課外活動プログラムは用意する

海外への進学を積極的にサポートする。日野田校長は、マインドとスキルを身につけられるようにサポートしていきます」と話す

未来の世界で活躍する人を育てていく

同校が授業の中で、特に力を入れるのは「国際教育」と「心の教育」だという。日野田校長は、「オーナーシップを持って世界の様々な課題に挑戦していく力をつけることこそ、真のグローバル教育です。そのためにも目指すのは帰国子女と同じレベルの英語力。そして同時に、自らの哲学を発信できるマインドも育てていきます」と話す。また一方で、同校の創始者である島地黙雷が行った心の教育も受け継いでいきたいとも言う。「個性を大切に、互いを認め合い、共に生きるという考え方は、130年を経ても大切な本校の教育の軸です。その思いを受け継ぎながら、未来に活躍する「勇者」を育てるため、新たな学校教育モデルに挑んでいきます」。

来年の授業開始に向けて、教職員は2週間に1回集まってブレインストーミングを行っている。全員で課題を出し合い、腹を割って話し合う。「先生方の足並みは揃い、強いチームになっています」と日野田校長

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