rogo

2021.10.30

school-logo

コロナ禍で気づいた「当たり前」への感謝の気持ち
そんな川村生の新たな挑戦に注目!

コーラルピンク色の温かみある校舎が印象的な川村中学校・高等学校は、目白駅から徒歩1分の好立地にある。伝統的な3本ラインが装飾されたセーラー服は、「生徒」を「保護者」と「学園・教職員」で支えるという意味合いが込められたデザインになっている。そんな川村学園で女性として自分らしく伸び伸びと学ぶ川村生の今年の挑戦を探る。

初の試み!「生徒主体の鶴友祭」に挑む

川村学園は、今年から新たな挑戦をする。それは、「鶴友祭」(学園祭)を生徒主体で企画、運営するというものだ。今回は、この果敢な挑戦を指揮する実行委員会の生徒4名にお話を伺った。高校二年生のS.Kさんは実行委員長を務めている。彼女は昨年の鶴友祭について、オンラインで開催したために、配信トラブルやクラブ活動の公演において音楽など著作権による制限が多かったと感じたそうだ。「今回は生徒主体で開催を試みているからこそ、様々な案を出して、今できる可能な範囲で満足できるものを作ろうと考えています」と話す。また、S.Kさんと同様に高校二年生で副実行委員長を務めるW.Tさんは、「去年は動画撮影が主な内容だったが、著作権などの問題に各クラスが苦戦しました。こうした反省や改善点を今年の鶴友祭に生かしていきたい」と話す。機器に詳しい先生に協力を依頼してオンラインでも生徒中心で開催できるように運営面でも準備を進めているようだ。しかし、生徒主体での開催には、苦労も多いという。「何か伝えるときに少しでも伝えそびれてしまえば、自分が思っていることが伝えられずに意見が食い違ってしまう。その中で協力して行っていくのはかなり難しいと感じる」とS.Kさん。さらに、生徒主体で開催するとはいえ、現実的に生徒ができる範囲は限られているため、「どこまで私たちで行って、何を先生方に依頼するかを考えて先生方とも積極的にコミュニケーションをとっている」と話してくれた。今年の鶴友祭を支える佐々木先生は、初めて生徒主体で行う鶴友祭に課題もあるという。「実行委員の彼女たちが感じる苦労や不安はまさに彼女たち自身で乗り越えていかなくてはならないもの。ぜひ逃げずにやり遂げてほしい。そのためのサポートを教員でしていこうと考えている」と話す。また、オンラインで開催するからこそ今後に引き継いでいくアーカイブができるため「生徒たち自身の発想をどんどん形にしていってほしい、今後続いていく「鶴友祭」(学園祭)をつくっていってほしい」と話してくださった。

「鶴友祭」実行委員会の4人の生徒たち

「川村FAMILY」と言われるその理由とは

今回の鶴友祭開催について、インタビューで多く話題になったのが「積極的なコミュニケーション」である。生徒同士のコミュニケーションはもちろん、先生方と生徒の間でも多くコミュニケーションがとられているようだ。佐々木先生は「実行委員と全校生徒を繋ぐためにGoogleクラスルームなどの伝達ツールを活用している。しかし、ツールに頼るだけではやはり十分な共通理解を図ることが難しいため、直接言葉を交わして補っていくようにしている」という。また、生徒と先生の間ではオンライン上でのグループを作って情報共有を行っているという。こうした積極的なコミュニケーションは鶴友祭の開催準備に限られたことではないようだ。川村学園では、昨年新型コロナ感染拡大に伴って対面授業ではなく自宅でのオンライン授業も展開された。このような状況下でも授業だけでなくオンラインでの朝礼も行ったそうだ。「朝礼の際は、生徒とは異例の事態で不安を解消できずにいた生徒も何気なく先生と話すことで消化できていたのではないか。そのためこのコミュニケーションツールを大切にしていた」と佐々木先生。生徒同士でも、絆は固く「併設の幼稚園から集う生徒も中学や高校から入学する生徒も皆全力で行事を楽しんで、全力で勉強して一緒に学校生活を送っている。本当に周りの人に恵まれていると思う」と実行委員4人が口をそろえて話してくれた。だからこそ、今回の鶴友祭も「受験を控える3年生方も含め全校生徒で一緒に楽しめるものにしていきたい、終わった後にみんなで笑顔になれるような鶴友祭にしたい」と意気込みを熱く語ってくれた。このようなコミュニケーションを大切にしているからこそ固い絆で結ばれていく、それが「川村FAMILY」といわれる理由であるのだろう。

民族舞踊部(フラダンス班)の活動する様子

バトン部の活動の様子

女性として、人として持つべき「感謝」

新型コロナの影響でオンライン授業になった際、「学校に登校して友達に囲まれて過ごすという『当たり前』が本当にすごい事なのだと感じた。学校が始まってしまえば忘れがちだが『当たり前』が当たり前であることに感謝している」と話すS.Kさん。中学2年生で副実行委員長を務めるF.Aさん、R.Uさんも「オンライン授業を経験して、学校という気の引き締まる環境の存在に気づいた。今登校できていることに感謝している」と話す。現在、鶴友祭の企画で案を出し合っている中でも、「実行委員として大変なこともあるが、まずは意見を出してくれるみんなに感謝の気持ちを忘れずにいようと心がけている」とS.Kさんは話す。副実行委員長のW.Tさんは、「副実行委員長という重責を果たすことはもちろん、協力してくれるクラス、全校生徒に感謝の気持ちをもって還元していきたい」と話す。堀内副校長先生は、「本来様々な考えがある社会のなかで相互に理解しあっていかなければならない。そのためには、感謝の心をもつことが大切」と川村学園の教育の根底を話してくださった。「感謝の心」を軸にした女性の品格ある川村生の挑戦と今後の活躍に期待するインタビューになった。

記事一覧へ

MENU