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2022.07.15

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自分の未来を切り開き、夢をつかみとれ!
生徒の知的好奇心と学ぶ喜びを育む6年間

難関大に多数の合格者数を出す東京都市大学付属中学校・高等学校。中高6年間の教育で大切にしているのは、自ら考え、答えを探求していく自主的な学びだ。同校では、生徒たちが自らの未来を切り拓いていけるよう様々な学びの機会を用意している。ここで紹介する中学1年の弁論大会、高校1年の中期修論もその取り組みの一つ。生徒たちは、自ら学びたいテーマを選び、自らの言葉で表現する力に磨きをかける。

弁論のテーマ選びが
自分と向き合うきっかけに

中学2年の元吉拓望くんは、中学1年の3学期に開催された弁論大会で、学年1位に輝いた。テーマに選んだのは、「日常生活に当てはまる民族サラダボウル」。民族サラダボウルとは、アメリカが様々な民族で構成されていることを表す時に使う言葉だ。「以前は、アメリカの中でいろいろな人種が一つに混ざり合っていることを『人種のるつぼ』と言っていましたが、『民族サラダボウル』は少しニュアンスが違います。それぞれの民族や文化の違いを尊重しながら共存していこうという考え方です」と、元吉くん。この言葉に興味を持ったのは、彼自身が帰国子女だったこともあったそうだ。「2年間アメリカで地元の学校に通いましたが、そこでは20カ国くらいの子どもたちが一緒に学校生活を送っていて、衝撃を受けました」と、振り返る。日本に帰国し、その頃の経験と今の自分を重ねて感じたのは、日本の国内でも民族サラダボウルと同じようなことが言えるのではないかということ。元吉くんは、「同じ人種でも考え方は人それぞれです。特にSNSで情報が溢れている中、相手がどういう気持ちでいるのかを意識していくことが大切ではないかと思いました」と話す。また、彼自身も自分の考えがきちんと伝わるような話し方を心がけるようになったという。弁論大会は彼にとって自分のこと、相手のことを考える重要な学びの経験となったようだ。

エントランスでは、生徒がデザインしたマスコットキャラクター「としまろ。」がお出迎え

弁論大会で発表する元吉くん。「今、一番好きなのは歴史の授業。先生のお話が面白いし、昔に生きていた人のことを知るのは楽しい」

自分は何をやりたいのか
経験が次なる学びを生む

中期修論は高校1年の時に実施される、同校の恒例イベントの一つである。高校2年の松林佳祐くんは、昨年の論文で最優秀賞に選ばれた。テーマは「今、求められている都市デザインと建造物」。その中で彼が特に掘り下げたのが、高齢者と単身者の避難対応だった。「もともと建築に興味があり、現在の都市デザインをテーマにしたいと思っていたのですが、客観的に考察するにはテーマが大きすぎました。でも、だんだんと今の日本が超高齢社会であること、また、最近の自然災害の被害が甚大化していることに目が向いて。最終的にお年寄りと一人暮らしの人を対象に、防災の観点から考えてみたいと思うようになりました」と、松林くんは話す。実際に論文を進めながら感じたのは、建物の耐震だけでなく、建物以外の防災対策も重要だということ。例えば、住宅の密集地は道幅が狭く、救急車両が進入できない場所もある。こうしたインフラから町の防災を考えていくことが必要だと話してくれた。「街を歩いていても、ここは道幅が狭いとか、あそこは避難しにくいだろうとか、以前に増して気づくようになりました。論文は書き終えましたが、まだまだ自分なりに考えていきたいことがあります」と、松林くん。自分は何に興味があり、何をしたいのか。中期修論の経験は、彼自身の次の学びへと確かにつながっている。

松林くんが参加した中期修論の発表会。「学校生活を一言で表すなら、自由。厳しい縛りがなく、先生がたとも話がしやすい」

放課後は食堂を自習室としても使っている。卒業生チューターのアドバイスも受けられる

生徒たちの自立を促し
未来に生きる力を育てる

松林くんも、元吉くんも、しっかりと自分の言葉でそれぞれの経験を振り返ってくれた。では、学校側の思いはどうか。広報担当の菊野暁先生に聞いた。「本校では、生徒たちに様々な発表の機会を設けています。考えを言葉にして話すことは自己表現の第一歩です。ただ、話すことと同様に人の考えを聞くことも、とても重要です。中学1年の弁論大会は、クラスの中で生徒全員が発表を行います。テーマは自由ですから、国際的な話もあれば環境、政治、あるいはもっと身近な家族やペットのことまで様々です。クラスメイトの発表を聞くことは、相手を理解する機会にもなります。話す側、聞く側全員の刺激になるのです」と菊野先生。中期修論の場合は、生徒を少人数のグループに分け、それぞれに専任教員がついて指導を行っていく。論文を書き上げた後に発表会もあり、書くこと、伝えることの両方の力を鍛えるそうだ。「自らテーマを決めることで、自分の興味関心を明らかにしていきます。これは自分の進むべき道の選択にもつながるものです。人生の中で学問をどう位置づけ、どう生かすのか。大学進学、将来の職業など、自分の生き方を見つける一つの試みだと考えています」と、菊野先生は話す。生徒たちは中学1年から自分と向き合う様々な経験を通し、自主的に考え、学び、自分の力で未来を切り拓く力を養っていく。先生たちは中高6年間をかけて、一人ひとりの成長を見守り、促し、支えていく。

中2「技術」の授業。木材でフォトスタンドを製作している様子

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