2022.07.15
豊かな精神と知的好奇心から主体的に学ぶ生徒の育成
獨協生、「社会の優等生」へと成長していくその秘訣とは。
今年で創立139年を迎える獨協中学校・高等学校。そんな獨協の女子とは異なる男子特有の成長曲線を考慮した中高6年間の教育は、130年以上にわたり男子だけを育て続けてきた経験と実践の積み重ねによって支えられている。また高校募集のない完全中高一貫教育というのも獨協の特色のひとつだ。今回は、「社会の優等生」を目指してのびのびと成長し続ける獨協生に密着。彼らの学校生活から見えてくる主体性や海外志向の高さの理由に迫る。
獨協生、海外志向の高さの理由とは
創立当時からドイツ文化と深いつながりのある獨協では、広く海外を見据えたグローバル教育が特に充実している。日頃の学習の意義と成果を実感するための海外研修の場を豊富に設けたり、ALT(外国語指導助手)や留学生との交流によって、海外に行かなくても異文化としっかり触れ合えたりなど、様々なカリキュラムが存在している。しかし、新型コロナウイルスの拡大によって、一部カリキュラムの実施が制限されてしまった。そのような状況下でも、獨協生の海外志向は依然保たれたままのようだ。今回は、高校3年生の池田司くん、高校2年生の片桐悠一郎くんに話を伺った。今年大学受験を控える池田くんは、将来について「商社系で働きたい」といい、「海外で働くことがあると思うので、そのために今から準備したいです。」と話す。獨協では、やはり新型コロナウイルスの影響で語学研修プログラムへの参加が難しかったようだが、将来の準備として大学に進学した際には、英語圏への短期留学に行きたいという。また、英語とは関係なく、イタリアに行きたいそうで「イタリアの人は全体的に優しいと聞いたので気になります(笑)」と、語学以外にも興味のある国があるようだ。片桐くんも、将来は海外で活躍したいという。しかし、「まだまだ英語レベルは未熟。大学は国内の大学に進学して英語の基礎学力をつけたあとに、大学院で海外の学校に進学したいです。」と今後の進路計画について明確なビジョンを語ってくれた。片桐くんが英語や海外へ興味を持ったきっかけは、彼のいとこにある。「いとこは小学校からすべて英語で教育を受けていました。英語ができるいとこたちがかっこよく、かなり影響を受けました。」と話す。また、中学校での研究論文は環境問題の中でも燃料電池について考察し、それ以降環境問題に関心があるそうだ。将来は、環境問題の解決に繋がることもしたいとのことで、大学の学部選びも「これに繋がる学部と語学を身につけたいです」と力強かった。
英語の活動の様子
今回話を伺った池田くん、(写真右)と片桐くん(写真左)
獨協の中高完全一貫教育の秘密
池田くん、片桐くん、彼らのお話からも獨協生の海外志向率がかなり高い水準にあることが分かる。その背景には、高校入学がない獨協の中高完全一貫教育が関わっている。中高6年間を中学1、2年の「基礎学力養成期」、中学3年、高校1年の「学力伸張期」、高校2,3年の「学力完成期」と細かく3つの段階に分ける、いわゆる獨協独自の男子教育プログラムによって生徒の知的好奇心を揺さぶり主体的に学んでいく生徒の育成が行われているのだ。片桐くんは、獨協で印象に残っている授業について、英語の授業を挙げた。「藤田先生という英語の先生は、グループワークがメインの授業で、みんなで勉強していこうという雰囲気が楽しかったです。」と片桐くん。さらに、池田くんの印象に残っている授業は物理だそうだ。「田中先生という物理の先生はとにかく板書が多いですが、細かいところまで教えてくれるので物理がすごく楽しかったです。」と話す。また、高校からはドイツ語も学習することができるそうで、教科ごとへの知的好奇心だけでなく、広く知的好奇心をくすぐる教育がなされているようだ。彼ら2人が海外に関心があるのもこれらの教育課程にそのヒントがありそうだ。また、獨協ののびのびしたアットホーム感溢れる雰囲気も生徒に人気なようだ。「獨協は入学前からアットホームな雰囲気だと聞いていました。入学してからはアットホーム感に加えて、校則もほどよくゆるく、先生方も柔らかい印象が特徴的だし、そこは獨協のいいところだと思います。」と池田くん。片桐くんは「とにかく平和な学校」と話してくれた。
ハワイの修学旅行での写真
獨協生の高校生活に迫る!
池田くんは、硬式テニス部に所属しているそうで、大会では団体戦地区大会4回戦目にして3対2で勝利したことが印象的な出来事だという。「相手校の練習状況を調べたりしました。」としっかり勝利に向けて対策も行った。最終的には、「後輩の助けも借りながらチーム一丸となって勝利を勝ち取れたことはとても嬉しかったです。」と話す。片桐くんはスキー部に所属。高校2年生は片桐くんのみで、部長として部員20名をまとめているそうだ。「もともと4,5歳のころから両親と長期休みなどでスキーによく行っていました。そこで競技スキーに興味を持ち、今はアルペンをやっています。」と片桐くん。「大会の2日前に怪我をして大会欠場になった悔しい経験もある」というが、インターハイ予選では見事予選を突破し、関東大会での出場切符までも手にした。勉学だけでなく、部活などにも励む彼らは、さらに今後も「社会の優等生」へと成長し、将来の夢へと近づいていく、そう確信できたインタビューであった。
伝統的にドイツ語教育に力を入れており、高1からドイツ語を学ぶことができる。写真はネイティブの先生による授業の様子
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